ASCASO社のエスプレッソマシンのマニュアル和訳したり、映画の感想文、たまに恋愛相談。

tomatojuicer222's diary

ASCASO社エスプレッソマシンのマニュアル和訳を進めたり、映画の感想文、たまに恋愛相談

インセプションの超大胆リメイクに見えなくもないお話。

インターステラ―のネタバレ一切なし感想を。
SFとはこうあるべきっていう理想像の完成系なんじゃないかな。

いやもう文句なしにダントツで俺史に残る最高の映画だったし、映画史としても「2001年宇宙の旅」(見たことないけど)みたいにSF映画のモデルとして語り継がれていくんだろうな。映画的に不都合な状況を"未来だから、技術が進んでるから"で済ませる系のSFは嫌いなんだけど、まぁノーランだし大丈夫だろって安心感もあったし、事実そんな心配はいらなかった。

見終わってすぐの感想としては、リアルな世界でリメイクしたインセプション?だった。ワームホールを通って太陽系外の星を探しに行くってことでジャンルとしてはSFなんだけど、どう思い返しても創作に見えない。作者が完全にルールを作れる"ファンタジー"だったインセプションを、今度は現実の現代の物理学のなかで一から再構築しましたって。そう考えるとかなーり根幹のところでは話も似てるっつーかほぼそのままなんだよな。どのキャラがどのキャラに置き換わるか、真面目に考えると重大なネタバレっぽいから内緒。

インセプションの時はノーランを知らなくて、1回目劇場で見たときは大して面白さを感じなかった。ダークナイト三部作見てノーランにどハマリして、二回目見たときに初めて気づく面白さだった。難解で深そうな問いを投げかけて答えは観客まかせ、みたいな扱いになってるのもったいない。むしろノーランの良さは親切に丁寧に、材料は過不足なく用意したから楽しんでいってねって感じのとこだろう。配給会社も評論家も、その辺教えてくれりゃインセプションはもっと評価されただろうに。

そんなモヤモヤはずっとあったんだけど、監督自体がどんどん有名になっていって、やっと周りの関係者からもそのへんの意図が理解され出したんじゃなかろうか。今回はそんなノーラン映画の良い部分が正しく全面に押し出されて、CMとのギャップもなく(ノーラン映画が宣伝段階からちゃんとヒューマンドラマとして扱われるのは初めてじゃない?)すごく良いバランスだと思う。

物理をやってたわけじゃないけど、「ムズカシイオハナシ」に捕らわれ過ぎずすんなりストーリーに夢中になれる程度には知ってて本当に良かった。そこで理解できないことを保留にできず気になっちゃうひとは、きっとつまらない3時間を過ごすんだろうなと思うと、お勉強って大切だな。そこそこの教育を受けきて、ちゃんと楽しめる、もっと知りたいって思えることに感謝したい。

この映画をより楽しむためにもう一度見る前にチェックしておきたい作品群をメモ。
出エジプト記
2001年宇宙の旅
コンタクト
ゼログラビティ
ブラックホールと時空の歪み-アインシュタインのとんでもない遺産-

インターステラ―を見終わって、なぜかインセプションの電車を使って目を覚ますシーンが思い浮かんだからコブさんのセリフを引用しておく。
"どこに続くかわからないが、一緒なら怖くない"