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【洗濯機2021】TOSHIBAが強すぎる【レビュー】

洗濯機を買った。みんな大好きドラム式。TOSHIBA ZABOONのフラッグシップモデル。選定の理由と2021現在の洗濯機事情を書く。

 

ざっくり概要 パナ一強時代に終わりが見え、今が面白い!

2010年代の洗濯機事情は酷いものでした。各社節水競争にしのぎを削り、洗浄力は洗剤/柔軟剤に依存。部屋干し臭なるものが広まり、香害みたいなワードも出てきましたね。多くの人が洗濯に悩みを抱えていたことと思います。

そこにパナソニックが「正しい」チューニングでドラム式を大ヒットさせ、圧倒的なパナ一強となっていたのがここ数年までの流れ。

去年あたりから各社パナの正しさを認識し、やっとまともに戦えるモデルが各社出揃いました。というのが今年、2021年の洗濯機事情です。検討に値するマトモなモデルが沢山でてきてマジで楽しい。

最終的にTOSHIBA TW-127XP1Lを選んだ経緯です。

洗濯機・洗濯乾燥機 | 東芝ライフスタイル株式会社

 

各論

縦型vsドラム

これは設置サイズの問題がほぼ全て。

洗浄力は縦型、乾燥重視ならドラムというのが一般的な説明だけど、それ現代には当てあまりません。サイズと予算が許すならドラム一択というのが私が考える現代の洗濯機事情です。

 

ドラムは洗浄力が低い?洗浄力って何?

縦型は過去10年近くにわたって行き過ぎた節水競争を繰り広げていて、一時期洗浄力メリットを完全に失っていました。そもそも縦型のメリットは

  • たっぷりの水で泳がせる様に
  • 満遍なく洗剤成分と接触できること

ところがそこを節水のために、

  • ひたひたぐらいの水量で
  • 洗濯槽の壁や衣類どうしでこすり洗いする

みたいな戦略に走ったことで、洗浄力は格段に低下しました。

この記事をメーカーの人が見たら「いやこれはこんなタイプの汚れを想定していてー」と反論があるのかもしれませんが、少なくとも我が家の使い方においてはダメでした。

コース任せには出来ず、手作業で水量を増したり、モミモミして洗浄液を染み込ませるとかの補間しないと部屋干し臭の要因になっていました。

 

汚れの種類と落とし方

洗濯の手法には汚れのタイプ別に種類があります

  • 泥や食べこぼしなどの物理的にこすり落としたい汚れ
  • 皮脂などの化学的に界面活性剤で落としたい汚れ
  • 菌、臭いなどの化学的に殺菌したい汚れ
  • (漂白系、タンパク質系などそのた諸々)

物理的に擦る手法は泥汚れとかには強く、また見た目は白くなるので洗えてる感はあるんですが、脂性の汚れや臭い系の化学的な洗浄力で弱い、という状況が生まれました。

洗濯機に期待するもの

農家とか、子供がサッカーやってるとかは別として、現代の生活で泥だらけになることあります?たまに汚れたら、見える汚れのこすり洗いは手洗いでいいんですよ。

洗濯機に期待するのは、皮脂汗臭い、人間の体からまろびでた代謝物の処理です。

だがら擦るというよりは、適正な洗浄液にきちんと浸す、つまり汚れと洗剤成分の接触機会が高いのが洗濯機の性能です。

過度な節水競争の結果

10年前、洗濯機は節水がトレンドでした。マーケティング的にはそういうキーワードで勝負するのが正しかったかもわかりません。しかし節水のために水量を減らしこすり洗いをする、というのが、前述の通り現代の汚れとはズレていたように思います。

結果臭い系の課題が社会問題になり、多くの家庭で悩みの種になりました。

 

潮目が変わったのはパナソニックのドラムが大ヒットしたことですね。

ドラムの大ブームを受けて、多少の節水では(乾燥効率の節約メリットからしたら節水で浮く水道代なんて誤差みたいなもんなので)アピールできなくなっています。

結果としてベクトルのズレた節水競争は多少マシになっていますが、まぁそんな感じで業界全体の停滞が長かった。

 

一方でドラムはそもそもの仕組み的に大量の水を使えないという点で洗浄力にデメリットが知られています。

これを解消するため、各社あらゆる工夫を重ねていて、当初の課題であった洗剤成分との接触機会を増やす方向に進化しています。

ドラムを回しながら高圧のシャワーで洗剤液を吹き付ける、みたいなとんでもない進化を遂げています。

厚手のタオルや冬服に、みるみるうちに洗浄液が浸透していく様をみていると、もはやドラムという形状だけを見て洗浄力が低いとは言えなくなってます。

だからドラムのデメリットはほぼ消えてるんです。

 

結論:ドラムが強い

10年間進歩し続けたドラムと、停滞していた縦型。どっちが優れてるかは比べるまでもありません。

洗浄力ってカタログスペックからは分からないんですよね。モーターのトルクや消費電力みたいな機械のMAX性能の話ではないからです。

どのくらいの水量でどのくらい強く撹拌するか、どういう衣類を想定しどういうコースを設定するか。そういったメーカーのチューニングに依存するので、実際に汚れた衣類を入れて回してみるしかないのです。

 

つまり何が言いたいかというと、実際我が家で回してみた結果、縦型→ドラムの買い替えで、洗浄力に期待以上の大満足しているという話です。これはそのうち動画に撮って載せたいですね。

 

我が家の縦型ではコース設定したあと、毎回手動で水量を増やしていました。また洗剤を溶かした水の中に腕を突っ込んでモミモミし、満遍なく洗剤液を染み込ませる、みたいな作業をしていました。コースの途中で一時停止してこれをやってたんです。

 

途中で蓋を開けられないドラム式ではそんなことできませんから、かなり気にしていたポイントだったんですが、実際に回る様子を見てひと目で納得しました。

 

縦型の洗浄力不足を認識して嘆きながら手作業で補完していた人は世の中にそこまで多くないと思います。私自身かなり厳しめな洗濯クレーマーだという自覚があります。

その私がここまで言うんだから信じてくれとしか言いようがない。

 

ヒーターvsヒートポンプ

乾燥方式が2種類あります。ヒーター式は昔ながらの熱風で乾燥させるもの。HITACHI。

ヒートポンプは除湿機で乾燥させるイメージ。HITACHI以外の各社の上位機種。

 

電気代メリット、乾燥時間や仕上がりのクオリティなどなど、ヒートポンプが圧倒的に強い。デメリットは価格が高いことぐらい。

 

本体価格の値段分が5〜7年使い続けると元取れるくらいの節電効果なので、トータルで見たら払う金額は同じくらい。よほど日立に思い入れがない限りヒートポンプを選びたい。

 

洗剤自動投入

ないよりあった方が絶対にいい。日々の洗濯で計量の手間がないのはもちろん、あのクソめんどくさい詰め替えという作業がなくなるんですよ。

上記の通りヒートポンプが付いてるような上位のモデル選んでいればみんな付いてます。昨年までは搭載してないメーカーも多かったけど、今年から全メーカー対応ずみ。

 

買ってから判明したポイントですが、柔軟剤を少なめに入れる、洗剤を多めに入れる、とかの設定も簡単です。もちろん洗剤の種類によって標準の使用量も設定できるので、推し洗剤の適量を守れます。

柔軟剤の使いすぎにめちゃくちゃキレがちな私ですが、洗い上がりの柔軟剤の香りを気持ちよく受け入れられるようになった神機能でした。

 

あと自動投入が使えることで、二度洗い機能が使いやすくなるのもいいですね。一回洗って軽くすすぎ、脱水した後でもう一度洗剤を使う。

お風呂でのシャンプーとかもそうですよね。スタイリング剤でベタついた髪を、一回めでざっと汚れを落とすと二回めに気持ちよく泡立つ。皆さん経験あると思います。

 

界面活性剤の性質を考えると二度洗うのは絶対に有効な手段なんですけど、そういう複雑なシーケンスを自動投入なしでやるのはかなり大変。手作業でいいタイミングで洗剤入れる人間が必要になるので。そこが自動化されて、ちゃんとコースとして用意されてるのが嬉しいポイント。

 

温水洗浄機能

ないよりあったが絶対にいい。洗濯において水の温度は何よりも重要。それは上記の洗浄成分との接触機会という話において、洗剤がよく働く適正温度が決まっているからです。

数年前までこの温水洗浄がパナにしか付いていませんでした。パナ1強の根拠だったけど、その後TOSHIBAが追従し、今年からは全メーカー対応ずみ。

 

  • 60℃→部屋干し臭の原因菌を殺菌できる温度

これはあれば良いけど、搭載機種でも使用に制限が多い。あまり頻繁に使う想定ではなさそう。このレベルで殺菌したければお湯沸かせばOK。

  • 40℃→比較的使いやすい温水モード。
  • 30℃→カシミヤ製品など冷水で縮む系の衣類を洗える温度。

うーんでもこの場合やっぱり手洗いするかな?という感じはする。

  • 15℃→冬の普段使い用。

この15℃はデフォルトのコースに組み込んでおけるので神。洗濯にこだわりの薄い奥さんも、毎回15℃で洗ってくれるようになった。これが都度設定だったら絶対奥さん普通の冷水で洗うでしょ。そういう洗濯クレーマー目線で諦めかけていた要望を満たすチューニングが行き届いてるんですよマジで天才。

 

ベルトドライブvsモーター直結

モーターの回転をどうやってドラムに伝えるかという話。余計なパーツは故障や騒音のリスクなので、直結の方が強い。パナだけベルト。

その代わりパナだけダンパー的な部品にこだわっていて振動軽減で強い。これはパナ側のメリットにも見えるけど、稼働する部品点数が増えるのはリスク。

まぁここが壊れなくても、洗濯乾燥機はどこかが絶対に壊れる家電です。ベルトがないからと言って故障を避けられるわけではないので、そこまで気にしなくてもいいでしょう。

メンテナンス周り

フィルター掃除がしやすいとかの機能が各社揃ってます。会社ごとにできることできない事はあるんだけど、どれを買っても結局そこそこの手間は必要と認識しておきましょう。

洗濯乾燥機は必ず壊れます。熱と回転を扱い、ホコリや排水と戦い、ユーザーが何を突っ込むかわからない。そんな過酷な条件で使用頻度もかなり高いので当然です。

寿命7年と言われていますが、それは途中で修理して使う前提での7年です。保証はしっかり入っておきましょう。

 

各社の工夫

以上が全体に共通するポイントで、ここからは洗濯乾燥の基本機能がまともに動く前提で、+‪αで機能する各社の工夫です。

 

  • マイクロバブル、ナノバブル
  • 洗剤の泡で洗う
  • 高水圧シャワーで洗う
  • UV照射で除菌アシスト
  • イオン系のプラズマ何とか的な除菌アシスト
  • ヒーターとヒートポンプのハイブリッド乾燥
  • 風でシワを伸ばす機能

いろいろあります。

各社パナソニックに対抗できるマトモなモデルが出揃った中で、外見、値段、この辺のオプショナルな機能のうち性癖に合うものをえらびましょう。

 

あ、これ重要なんですけど、各社がまともに戦えるようになったのは今年からなので!

在庫消化で安くなった昨年モデルを買うのはナシですよ!型落ちだからダメと言うんじゃなくて、それをするならあと1年待って、型落ちした今年モデルを来年買えという話。

 

 

カタログに表れない洗浄力

先に書いた通りこれらの独自機能については、どの機能がどの程度効くかはカタログスペックに表現されません。デモ運転を見るなり、所持者の家で試させてもらうなりしましょう。

家電量販店でよくやってるデモ運転のゴムボールを洗濯するやつは茶番ですよ。衣類を洗わないと、絶対に衣類が内部でどういう動きをしているかは分からない。理想は持ってる人に動画を撮ってもらうとかですね。次点で口コミを漁るなりして使用感調べましょう。

我が家の場合は会社の目利き力に信頼できる同僚から使用感聞けたので、それで良しとしました。

TOSHIBAの動画が必要な方はコメントかTwitterで連絡ください。

 

TOSHIBA ZABOONをえらんだ理由

  • パナについで去年から十分納得のいくマトモなモデルを作っていた。
  • パナについで去年からヒートポンプのモデルを作っていた。
  • パナについで去年から温水洗浄を作っていた。
  • パナと比べて唯一の欠点だった本体サイズのデカさがかなり小型化された→これが強い
  • パナと比べて5万以上安い
  • ナノバブルとマイクロバブルを区別して記載してるところにガチ感を感じた。
  • 前の洗濯機がシャープだったので別のメーカーにしたかった
  • 同僚にこれらの機能が実際どうかという実情を聞けた

要はパナ追従の動きだしが一番早かったことと、友人から信頼度の高いレビューを得られたということですね。

 

ちゃんと出どころ検証できてないんですが、内部のヒートポンプなどパナと同一の部品をOEM供給受けてるという噂を聞きました。似通った性能からも、あながち的外れな話ではないと思います。

 

ちなみにパナは王者の貫禄というか、値引き一切しません!という姿勢が面白かったです。昨年まではそれでも他がマトモなのなかったから強気に売れたんですよね。

あとデザインが洗練されていてめちゃくちゃかっこよくなっていた。

 

来年以降、他メーカーがやっとマトモに張り合えるくらいになってきたというのが認知されれば、パナも他と同水準くらいに安くなるかもしれないですね。逆に言うとパナ狙いなら今年は待ちかもしれません。

 

 

まとめ

クレーマー寄りの重箱の隅を突くような話とは理解しながらも、これまでの洗濯機で許せなかったポイントが今年に入って解消されてきたという話を書きました。

  • パナ1強の暗黒時代がやっと終わり、各社まともなモデルが出揃った。
  • 洗浄力で見ても縦型に負けない。
  • カタログスペックに表れない各社の工夫部分が重要。
  • 自分の落としたい汚れに効きそうか、動画や口コミでよく確認しましょう。
  • TOSHIBAを選んだ理由は納得のカタログスペック+‪同僚のお墨付き。
  • 買ったあともこんな記事を書いちゃうくらい、TOSHIBAを選んで実際良かった。

パナ以外はどれ選ぶにしろ、検討しがいある時期だと思います。パナにこだわるなら来年以降の値引きの可能性を待ちましょう。