ASCASO社のエスプレッソマシンのマニュアル和訳したり、映画の感想文、たまに恋愛相談。

tomatojuicer222's diary

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美女と野獣感想文

25年間生きててよかった~!

 これ観る前は結構不安だったんですよね。

古いディズニー映画って、なんとなく運命的に惹かれた二人が、協力して問題を解決して、最後は当然のように結ばれるって感じじゃないですか。

 

で、時代とともにそんな従来の恋愛観から少しずつ離れていって、アナと雪の女王あたりではもうばっさり切り捨てられてるんですよね。そんな価値観古いんじゃないのと。そんな中で今更昔の作品を実写化して楽しめるのかと。

 
結論からいうとそんな心配は全くいりませんでした!もうね、超楽しい!余計な改変をいれないままで、こうも見事に今の価値観で楽しめるとは!
 
 
アニメ版当時、僕これ多分人生で初めて見た映画なんですよね。
 
子供だったから深いところまで理解できていなかったのかもしれませんが、「誰からも理解されないかわいそうな男」と「野獣の見た目にとらわれない純粋な女」が出会って結ばれる話だと思ってました。
 
ところが全然違うんですね。野獣は呪われても全然反省してない、絵に描いたようなクソ野郎様です。そしてベルはベルで思いっきり見た目で判断します。これでは結ばれるわけがありません。
 
そんな二人を繋げたのは教養であり、親から受けた教育なんですね。決して根が清かったからではないんです。

これは実写版独自のシーンだと思うんですけど、二人がそのように育てられた事情が、親世代まで遡ってしっかり描かれます。運命とか心がきれいとかいうチート主人公の話ではなく、きちんと今の大人が観て納得できるバックグラウンドが作りこまれているんですよ。そんなわけなので、二人の仲を決定的に変えた図書館のシーンは震えました。

打ち解けてきたころの、一緒にスープを飲むシーンもよかったです。言葉ってのは表面的なんですよね。あんなふうに言葉以外でも信頼を示せるのは素敵だなと思います。
 
そして脇役たち。もちろん二人のストーリーがメインなんですけど、脇役それぞれにもちょっとしたエピソードがあるんですね。これが良い。

メインテーマとしてはやっぱり「表面だけでなく中身を見ましょうね」ではあるんですけど、そこには単なるお説教じゃなくて、「人は(誰でも)ちゃんと変われるんだよ」という希望が乗っかってるんですね。
 
子供の頃にわからなかったところも、描かれなかったところも、こんな豪華なクオリティでもう一度体験できるなんて、私は幸せものですね。