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tomatojuicer222's diary

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島唐辛子の越冬チャレンジ

関東で島唐辛子の越冬にチャレンジしています。沖縄では多年草の低木としてそのへんで越冬するみたいですが、本州では一年草扱いの島唐辛子ちゃん。

結論から言うとここ数年はかなりの確度で越冬に成功しています。この記事では原因を推測した上で、もう何年も連続で成功している具体的な対策を紹介しています。切り戻すってだけなんですけどね。わかってみると簡単な方法なので記事後半をお楽しみに。

あくまでも関東圏の例ですが、どのみち室内栽培なので、ある程度室温キープできるなら関東以北でも可能なのかもしれない。

 

島とうがらしの越冬条件を探りたい

チャレンジの動機は発芽が大変すぎたこと

島唐辛子、鷹の爪系とは違う華やかな香りと、口に入れた瞬間に初速のあるビリっとくる刺激が大好きで、安定的に入手するために家庭菜園での生育を目指しています。しかし関東ではまず苗では売っていなくて、種から発芽させるしかないのです。そしてこれがとても大変。

  • 収穫時期から逆算すると、種まきは2月
  • 発芽温度は25~30℃
  • これを1~2週間キープ
  • そもそも発芽や越冬に関してあんまり情報がない

2月に室温30℃を2週間キープするの、かなりハードルが高く毎年苦労します。本葉が出てくれば、日照を補うライトの発熱くらいでも十分育ってくれるんですけどね。

そこで発芽を目指すのとは別に、去年の株を室内で越冬できればと思い記録しています。

この記事はこんな人にオススメ

  • 栽培経験あり、上記の大変ポイントを実感し、困っている方
  • 栽培経験はないが島唐辛子が大好き、あわよくば自分で育てたい
  • ギリギリ越冬できないその他作物の栽培もヒントになるかも

注意点、越冬できる=収穫できる、ではない

あくまでも株の越冬を目指しています。結実/収穫までできるかはまた微妙なところ。記事の最後に軽く触れてますが、かなり厳密な短日条件が必要なのではと考えています。日本でいうと小笠原諸島や西南諸島以外の地域では、おそらく朝方の遮光が必要。

1株目(2014春~2015冬)

二月中旬に種まき~発芽後もGWまで室内で管理、数十個の結実に成功したものの、秋冬に放置したら枯れた。越冬失敗。
この年は液肥ハイポニカ(+室内時は電球型蛍光灯)使用。
GW時点で40cm越え、最盛期は100cmくらいの株に育ち、50個くらいの唐辛子が収穫できた。

2株目(2015春~)

翌年も種から育て始めるも、発芽のタイミングが遅れたためか、GW時点でかなりひょろっと弱弱しい株。
年内の収穫をあきらめ、越冬実験用の株として土耕で管理。秋に20cmほどの株を室内に移し、ほぼ葉が落ちることもなく冬を乗り切る(2年目、難なく越冬成功)。
この辺から肥料を微粉ハイポネックスに変更(理由は、近所のユニディに売っていたから)。

2年目春から屋外に。ただし全体的にひょろっとしており、つぼみはつくものの開花、結実せず。秋には60cmほどに成長した株を室内に移す。(2年目秋まで)
丈が高いため、小さな鉢+ライトではいろいろ不足らしく、2月中ごろに葉がすべて落ちる。(2年目冬)
ダメ元で、木質化した幹1本のみの20cmほどにざっくり切り戻し、情けない姿のまま室内に置いておいたところ新芽がモサモサ(2年目、まさかの越冬成功)
三年目ともなると幹の部分はかなり太くしっかりしていて、なんというか去年までは一切見せなかったやる気を感じる。今年こそは結実を期待したいところ。

3株目(2016春~)

さらに翌年も種から育て始めるも、発芽のタイミングが遅れたためかGW時点でかなりひょろっと弱弱しい株。
年内の収穫をあきらめ、越冬+水耕栽培での実験用株に。秋までに50cmほどに育ったものの、結実はせず。(1年目秋まで)
寒い時期も余裕で乗り越えたかに見えたが、少し暖かくなってきた2月中頃に葉が落ちる。(1年目冬)
幹からは新芽らしきものが見えていたので、昨年の経験から幹1本のみに切り戻すとすぐに生えてきた。(1年目、越冬成功)。

4株目(2017春~)

ここまでの3株を総合すると、液肥ハイポニカを使っていた1回目が一番元気だったので、それを目指して再度発芽~育苗もチャレンジする予定。

なんとなく見えてきた島とうがらしの越冬条件

若い株、弱そうな株、木質化してない株は以外と寒さに強い

2株目、3株目より。特に対策せずとも、室温に置くだけで越冬(もしくは惜しいところまで生存)に成功している。

問題は大きい株。葉の維持コスト?→そこから導いた対策

大きく一見丈夫そうに育った、木質化した株ほど落葉する傾向にあるらしい。葉の維持コストか、木質化した幹部分と柔らかい葉の境目が問題なのではと見ています。

この仮定に立って、枝を全て切り戻し、一本棒を地面に突き刺したみたいな姿(わかりますかね?)にしてみたところ、春にわっさわさ新芽が出てくる。大成功です。落葉しても株は生きてるんですね。これはかなり成功率が高いのでオススメ。

唐辛子はだいたい三本だてとかで育ててると思うので、その左右に伸びた枝を全部落とす。翌年は1番頂上付近の節から新芽が出るので、背が高すぎる場合はてっぺんも地面から50cmくらいで切り戻します。

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その他、越冬以外に気をつける点メモ

発根~発芽

理想は25℃~30℃範囲での変温、被土ありの明環境。
そもそも発根率が結構低い。湿らせたキッチンペーパー+ラップにくるんでポケットに入れて生活していると、体温で良い温度をキープできるらしく、発根する種だけを選別できる。
ただし発根したのをいいことにこのままポケットに放置しても発芽はしない。発根が始まった種だけを鉢に植えて土をかけましょう。完全な暗も明もダメで、被土ありの明環境が必要みたいです。

成長期

GWごろまでは室内の水耕栽培(液肥ハイポニカ)が割と良い。普通に土耕でも別にOK。GWから屋外の土耕で育てるが、最初は直射日光に即負けて萎れてしまう。1時間陽に当てては日陰に避難、という作業を繰り返す。数日で日向に放置しても萎れなくなります。

開花、結実

株が大きく育っていれば、5月中旬以降ぐらいで開花、結実します。
短日条件を満たさない場合、蕾はつくけど開花前や結実前に落ちてしまうことが多いように思います。特に6月〜8月ごろの蕾は全部落ちます。9月に入って日照が短くなると、また結実するようになる。
ネットで検索する限り、短日条件は結実に関係なく収穫できたという(実体験ベースの)記載も多いんですが、おそらくこれは誤りor微妙な地域差。この記事内で関東関東と連呼してるのがこのためです。かなり厳密に短日条件を判定している気がする。

参考:  様々な日長がキダチトウガラシの花芽分化に及ぼす影響

唐辛子に限らず、栽培用に最適化されたメジャー品種以外は、品種改良が進んでいない→日照条件が厳密、と言うのは割と一般的らしい。その代わり個性的な味も保存されていて、ここは惚れた者の弱みとして頑張るしかないですね。
 
個体差、地域差、肥料の差で偶然収穫できることはあるのかもしれないが、基本的には西南諸島系、小笠原諸島系ともに短日条件が必要みたい。
日没時刻から逆算して12時間程度を目安に、遮光してみると良さそう。毎日やるのってなかなかめんどくさくてそこまでできていませんが。今ならIoT的な魔法でなんとか自動化できませんかね。

肥料

肥料は生育期には窒素多め、結実ではリン多めがよいらしい。市販品を使った水耕栽培ではそのへんの調整は難しい。見送り。

 

まとめ

越冬条件、寒さに弱いのは木質化した株の葉の部分の可能性が高そうです。幹だけに切り戻すことで確度の高い越冬に成功しています。ただししっかり収穫まで行くためには他にも短日条件などのハードルは高いよという話。

あんまり整理できてないですが4年目以降の収量などはこちら

 

tomatojuicer222.hatenablog.com

 

大事なことは全部本記事の方にまとまってます。2017版の方は単に収穫できて喜んでいる日記という感じです。

特に宣伝するものもないので、よければ他の記事も読んだりシェアしてもらえると嬉しいです。普段は恋愛相談や映画の感想文を書いてます。